SUS303・SUS304の引張強さはどのJISで確認する?― JIS G 4303とG 4318の違い ―
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「SUS303やSUS304のようなステンレス棒鋼の引張強さを調べると、資料によって数値が異なる」「JIS G 4303とJIS G 4318は、どちらを見ればよいのか」と迷われることはないでしょうか。

ステンレス鋼棒は、鋼種名に加えて、熱間で加工された材料か、冷間で仕上げられた材料かによって、確認する規格や条件が異なります。本記事では、JIS G 4303とJIS G 4318の違いを整理し、SUS303やSUS304のようなステンレス鋼棒を確認するときのポイントをご紹介します。

JIS G 4303とJIS G 4318の違い

JIS G 4303は、熱間で加工されたステンレス鋼棒について定めた規格です。一方、JIS G 4318は、冷間仕上ステンレス鋼棒を対象としています。

いずれも丸鋼、角鋼、六角鋼、平鋼などの棒を扱いますが、材料の仕上げ状態によって確認する規格は異なります。JIS G 4318では、冷間圧延、冷間引抜き、研削、切削、またはこれらを組み合わせて仕上げた棒が対象となります。簡単にいうと、赤みを帯びない範囲で加工・仕上げを行った棒です。

SUS303やSUS304のようなステンレス鋼棒の引張強さは、規格と発注条件をあわせて確認する

SUS303やSUS304は、JIS G 4303とJIS G 4318のいずれにも種類の記号として掲載されています。ただし、同じ鋼種名であっても、適用規格や仕上げ方法が異なれば、機械的性質に関する規定、試験の実施条件、保証される項目が同じとは限りません。

JIS G 4318では、引張強さや硬さなどの機械的性質については、特に注文者から指定がある場合には試験を行い、規定値を設けるかどうか、またその値は取引する双方(受渡当事者間)の協定によるとされています。冷間で仕上げられた材料で引張強さや硬さなどの条件が必要な場合は、発注時に必要な項目を明確にしておくことが大切です。

実際に、熱間加工棒に関する規格値を、冷間仕上棒にもそのまま適用できると考えてしまうケースがあります。しかし、適用規格や発注条件が異なれば、同じ鋼種名でも保証される項目が同じとは限りません。材料の仕上げ状態や発注時の条件まで確認していなければ、必要な引張強さを満たしているか判断しにくくなります。

資料に記載された引張強さを比較する際は、数値だけを見るのではなく、次の項目を確認すると整理しやすくなります。

  • 参照しているJIS規格
  • 熱間で加工された材料か、冷間で仕上げられた材料か
  • どのような加工や熱処理を行ってきたか
  • 寸法や材料のサイズ、試験を行った条件
  • 発注時に指定した引張強さや硬さなどの条件・検査条件

必要な情報は、用途に応じて確認する

材料の候補を選ぶ段階と、購入した材料を確認する段階では、参照する資料が異なります。

カタログ・規格資料で確認すること

カタログや規格資料は、鋼種や製品の候補を比較する際の参考になります。まずは、対象となる規格、鋼種、形状、材料の仕上げ状態の組み合わせを確認します。

一方で、材料のサイズ、仕上げ、発注条件によっては、カタログの記載だけでは判断しにくい場合があります。必要な性質が決まっている場合は、発注時の条件まで確認します。

見積書・発注仕様で確認すること

引張強さ、硬さ、寸法の精度、表面の状態などを必要とする場合は、対象規格と材料の仕上げ状態に加えて、必要な検査項目や数値を見積・発注時に共有します。

例えば、強度条件を重視する部品では、用途、材料のサイズ、必要な引張強さや硬さを事前に整理しておくと、材料の選定や確認を進めやすくなります。

購入した材料で確認すること

購入した材料を確認する際は、ミルシートなどの検査書類と、発注した条件を照合します。規格名、鋼種名、材料の仕上げ状態、検査項目をひとまとまりで確認することで、必要な情報を確認しやすくなります。

※検査書類に記載される項目は、発注時の条件などによって異なる場合があります。検査書類の見方や仕様との照合に迷われる場合は、材料メーカーに確認することをおすすめいたします。

参照規格

  • JIS G 4303 : 2021  ステンレス鋼棒
  • JIS G 4318 : 2016  冷間仕上ステンレス鋼棒

まとめ

SUS303やSUS304のようなステンレス鋼棒の情報を確認する際は、鋼種名だけでなく、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 熱間で加工された材料か、冷間で仕上げられた材料かを確認する
  2. 適用されるJIS規格を確認する
  3. 材料の仕上げ状態、材料のサイズ、必要な引張強さや硬さを確認する
  4. 発注条件と検査書類を照合する

冷間仕上ステンレス鋼棒の規格や機械的性質について、不明点がある場合はお問い合わせください。

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